
2007年04月21日
建築用語Q&A

私たちの事務所では、それぞれの物件に担当がいますが、大まかなプランが出来て、
担当が平面・立面・断面図を描くと、その後は複数のスタッフで、
担当指揮のもと、図面一式を一気に仕上げることになります。
そして、またそこから細かい内容をクライアントと打ち合わせしていくのです。
複数のスタッフで図面を描く段階になると、そのメンバーで(大体は同じ
チーム内で)打ち合わせを持ちます。
今までの施主との打ち合わせの経緯を聞いて、描く図面の分担やどのような
仕上げにするのかを確認、検討していきます。
今日もそうして来週いっぱいで挙げなければならない物件に関しての
打ち合わせをしました。
その中での一コマ。
「これはラーメン?」
「いえ、壁です。」
「ここ、けっこうとんでるけど大丈夫?」
「はい。構造(設計事務所)との打ち合わせで、こことここの壁と梁が400になります。
せいは1000です。」
「このラインそろえた方がすっきりするんじゃない?」
「あ、そのつもりで、こちら側をふかして下さい。」
「この納まりはどう考えてる?」
「イメージがあるので、詳細をおこします。」
どの業界にもその専門用語があると思いますが、建築はこんな感じです。
大体分かります?
〈答え〉
ラーメン・・・ラーメン構造のこと。
柱と梁で接合されて建物の骨組みが形成されている構造のこと。
けっこう知られている言葉ですかね。
壁・・・壁式構造のこと。
壁と床や屋根で構成された構造。柱はいらないけれど、ある一定の壁量が
必要になります。
とんでいる・・・スパン(梁間)が大きいこと。
建物の構造の支点間の距離が大きいので梁が垂れ下がってきたりしないか
心配しての会話です。
せい・・・梁の高さのこと。
400や1000は建築では単位が㎜なので40センチ、1メートルを
指します。
ふかす・・・梁や柱などを構造上必要な大きさ以上にすること。
窓の高さをそろえたり、壁の厚さが違うことでデコボコしてしまわないよう
ふかすことで調整したりします。
仕事に就いて初めてこの言葉を聞いたときは、
「ふかす?お芋????」
としか思いつかなかった私。今ではしっかり分かります、って当たり前か。
納まり・・・部材と部材の取り付け具合。
個人的に思うには、建築家が好んで使う言葉。
納まりがきれいとか汚いとか。デザイン的なものの事も多く、建物の
構造や機能性には無関係なこともあるのですが、各々の建築士の
個性の出るところでもあり、建築のプロとしては一番こだわる所でも
あります。
だから、クライアントとの打ち合わせで、クライアントに
「ここの納まりはどうなってます?」
なんて言われた日にゃ、すんごくドキッとします(^−^;)。
(前里♀)

Posted by AKS at 17:10│Comments(0)